大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和40年(オ)76号 判決

上告人 国

訴訟代理人 青木義人

被上告人 岩本平

主文

本件上告を棄卸する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人指定代理人青木義人、同宇佐美初男の上告理由について。

論旨は、原判決には刑事訴訟法二〇八条一項の解釈の誤り、ひいては審理不尽ないし理由不備の違法があるというが、被上告人に対する本件勾留の継続が留置期間の少くとも最後の五、六日間については違法といわねばならず、かつ、その五、六日間の違法な留置が検察官の過失によるものであるとした原判決の判断は、その認定判示の事実関係のもとで是認できて、その点に所論違法はない。

従つて、論旨は、すべて採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判官 奥野健一 草鹿浅之介 城戸芳彦 石田和外 色川幸太郎)

上告理由書〈省略〉

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例